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CentOS7でBIG-IP VEのセットアップ

CentOS7でF5 BIG-IP VEのセットアップを実施したため、その手順を記載しておきます。

BIG-IP VEはqcow2ファイルからイメージを読み込むため、n9kvライクなインストール方法となります。

以下の公式Docに沿って記載したいと思います。
AskF5 | Manual: BIG-IP Virtual Edition 13.1.0 and Linux KVM: Setup


また、足回りとしては、virtioとSR-IOVの両方で構成可能です。
しかし、インストール後(正確にはトライアルライセンスのアクティベーション後)には変更できないため、最初に構成を決めてから足回り数を決定してください。

1.環境

筐体                             : ProLiant DL360e Gen8
System ROM                       : P73 01/22/2018
NIC                              : Intel X540-AT2
OS                               : CentOS7.5(1804)
Kernel                           : 3.10.0-862.el7.x86_64
Installed Environment Groups     : Server with GUI
Add-Ons for Selected Environment : Virtualization Client, Virtualization Hypervisor, Virtualization Tools 

2.BIG-IP VEのインストール

virt-managerによるGUIでのインストール方法をご紹介します。
IPMIなどが無ければ、tigervncなどを起動させておきましょう。*1

まずはqcow2ファイルを/var/lib/libvirt/images/直下にコピー

cp BIGIP-14.0.0.2-0.0.2.qcow2 /var/lib/libvirt/images/
2-1.virt-managerによるインストール

File>New Virtual Machineを選択
f:id:metonymical:20180428192118j:plain

Import existing disk imageを選択して、Forwardをクリック
f:id:metonymical:20181017125053j:plain

Browse...をクリック
f:id:metonymical:20181017125115j:plain

前項でコピーしたBIGIP-14.0.0.2-0.0.2.qcow2を選択して、Choose Volumeをクリック*2
f:id:metonymical:20181017125135j:plain

OS typteはLinux、VersionはRHEL6.9を選択して、Forwardをクリック
f:id:metonymical:20181017125225j:plain

下図の通りであることを確認して、Forwardをクリック
メモリは最低2GBで起動します。
CPUsは最低1で起動します
f:id:metonymical:20181017125320j:plain

Nameに任意の名前を入力
Customize configuration before installにチェック(必須)
Network selectionは任意のインターフェースを選択(mgt用なので後で変更可)
f:id:metonymical:20181017125354j:plain

Device modelにvirtioを選択(必須)
Applyをクリック
HAを構成する場合、NICは最低でもあと3つ必要(できれば4つ必要)です。このため、AddHardwareをクリックして上記画面と同様にNICを追加していきましょう。
f:id:metonymical:20181017125419j:plain

SR-IOVのVFを追加する場合
画面左下のAdd Hardwareをクリック
PCI Host Deviceを選択
任意のVirtualFunctionを選択*3
Finishをクリック
f:id:metonymical:20181017125502j:plain

Begin Installationをクリックすると、自動的にインストールが進みます。
f:id:metonymical:20181019121711j:plain

インストールが完了すると、ログイン画面となります。
login名:root
Passwd:default
f:id:metonymical:20181017130202j:plain
ログインすると、パスワード変更を促されます。
(current)UNIX password:default
New BIG-IP password:任意のパスワード1
Retype new BIG-IP password:任意のパスワード1
f:id:metonymical:20181017130239j:plain
すると、プロンプトが表示されます。
f:id:metonymical:20181017130259j:plain
プロンプトが表示されたら、以下のコマンドによりBIG-IPのMgmtインターフェースのIPを確認します。このとき、同一LAN内でDHCPサーバを起動しておけば自動的にIPアドレスを取得してくれます。

tmsh
show sys ip-address

以下出力のうち、cm deviceがIP(この例では、192.168.11.14)となります。
f:id:metonymical:20181017130403j:plain

2-2.Web画面での初期アカウント設定

ホストOSまたは同一LAN内からブラウザを開き、BIG-IPにアクセスします。*4

https://BIG-IPのIPアドレス/

以下のログイン画面が表示されますので、ユーザ名とパスワードを入力。
Username:admin
Password:任意のパスワード1
f:id:metonymical:20181017130514j:plain
パスワード変更を促されます。*5
Current Password:任意のパスワード1
New Password:任意のパスワード2
Confirm:任意のパスワード2
f:id:metonymical:20181017130547j:plain
改めて、ログイン画面が表示されます。
Username:admin
Password:任意のパスワード2
f:id:metonymical:20181017130637j:plain
ログイン後の画面は以下の通りです。
この画面より初期設定ウィザードに従い、トライアルライセンスのアクティベーションなどを行っていきます。
f:id:metonymical:20181017130708j:plain

3.BIG-IP VEの足回りに関する留意事項

3-1.MACアドレスについて

VirtIOの場合、NIC追加時に表示された*6MACアドレスがそのまま継承されます。また、SR-IOVの場合は、VFに対して任意に設定したMACアドレスがそのまま継承されます。このため、VFにMACアドレスを事前設定しておいてください。Defaultではオール0(ゼロ)となってしまうので。

3-2.インターフェース数について

最低限必要とされる数は以下のようです。
Management×1
Internal×1
External×1
HA×2
上記のうち、Managementはインターネット接続可能&DNSのLookUpが可能な状態にしておかなければなりません。なぜならば、アクティベーションで必須となるからです。

以上です。

4.最後に

インストール自体は至ってシンプルなのですが、パスワード周りを整理しておかないと後々になってログインできなくなるため、任意のパスワード1&2という風に記載を分けました。また、今回はインストールのみでしたが、今度はHA構成の設定についても別途記事を書ければなと思っています。

*1:VNCサーバのインストール方法について、ここではあえて触れません、あしからず。

*2:ここではBIGIP-14.0.0.2-0.0.2.qcow2をさらにコピーして、bigip02.qcow2を選択しています。BIGIP-14.0.0.2-0.0.2.qcow2をマスターイメージとするためです。

*3:SR-IOVの設定は事前に行っておいてください。 metonymical.hatenablog.com

*4:httpsであることに注意してください。httpでアクセスしてもhttpsにリダイレクトとかしてくれません。

*5:任意のパスワード1よりも任意のパスワード2の方がパスワードの複雑性要件が厳しくなっているため、それなりの強度のパスワードを準備しておいてください。

*6:qemuが自動付与したMACアドレス